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2016.08.19

【まちなかストーリー】WINE & JAPANESE GRILL FUJITA 藤田 隼介さん 第2回「お店のコンセプトとメニューへのこだわり」

まちなかで活躍する人にスポットを当てて、そのヒトの街に対する想いや物語を紹介する「まちなかストーリー」。今回は2人目、WINE & JAPANESE GRILL FUJITAの藤田 隼介さん。第2回は、「お店のコンセプトとメニューへのこだわり」をお話していただきました。

人物紹介

藤田 隼介さん
23歳で飲食業に誘われた時に5年で自分の店を出す条件で働き始め、その後田町で和洋創作ダイニングの「花音」を開店。自分のお店のスタイルを求めて松城町のまちなか寄りに移転し、1年半前に「ワイン&ジャパニーズグリルFUJITA」に店名を変更。日本人好みの和の味付けで、素材と誠実に向き合いとことんこだわった地元食材を使ったメニューを提供している。最近のブームは海外ドラマの一気見。実はインタビューが苦手。
お店のウェブサイト:「WINE & JAPANESE GRILL FUJITA

移転後にお店の名前を変えた「藤田」、隠れ家的な落ち着いた雰囲気とこだわりのメニューをコンセプトに

伊藤 ガラッとスタイルを変えて「藤田」というご自身の名前をお店の名前にしてからどうですか?客層とかも絞れてきましたか?

藤田 そうですね、だいぶ…と言ったら変な話ですけど、こっちに移ってきてこのお店になる前にも2年位はやっぱり結構厳しかったですね。元々来てくれてたお客さんでも、来てくれる方は来てくれるんですけどやっぱり遠いとか言われちゃって足が遠のいちゃったりとか。あとは人通りが全く無いので、予約が入らないとなかなかふらっとお客さんが入ってくれるってのは少ないですね。

伊藤 ここらへんを通る人は地元の人か市役所の方から歩いてくる人くらいですからね。

藤田 そうなんですよね、そういうのもあってもっと特化した店にしちゃっても良いのかなと思って。どちらかというと前のお店はバランス良くどんな方にも対応できる…良く言えばですよ。悪く言うと、もう全てにおいて中途半端なんですよね。

そういう(中途半端さ)が嫌になって、特化した店で洋食よりにシフトして良いお肉使っていいワイン置いてってやってたんですがまだ厳しくて、また微調整して今のような感じで落ち着いて。お客さんにもようやく、少しずつ知られてきて。

伊藤 僕は橋爪さんに聞いて藤田さんのお店を知りましたからね

藤田 こんなところに店あるんですねってお客さんによく言われますね。うちは広告媒体を最初の頃すごく嫌がってて、前のお店では使っていたんですけど、こっちでは全部やめちゃったんですよ。お店のキャパも狭いですし、そういうの良いですって。2年位やめていたんですけど、でもあるときお店の名前を変えてから半年…ちょうど一年くらい前ですかね、ホットペッパーの子が飛び込みで営業してきて、その担当の子がよい子でいろいろあってじゃあちょっとだけやるよってことでちょっとずつ始めて、多少なりにも効果は出てきて、知られてきたのかなぁと。

藤田 わかっていただける方にはわかっていただける。というと変な話ですけど、そういう感じで隠れ家的に使っていただいたりとか、記念日だったりとか、夫婦で来られたりとか、比較的落ち着いた女子会とか。早い時には6,7時くらいから使ってもらって、ほら落ち着いた女子会となると、長いですからね。でもそこら辺はまぁ繁盛期でもなければまぁまぁ、時間を気にせずのんびりやってくれればいいかなと思ってますね。

お客さんの層に合わせた来客しやすい雰囲気作り

伊藤 ホットペッパーにも女子会と推してますが、お客さんは女性の方が多いんですか?

藤田 女子会で使っていただけることがだいぶ増えてきたので、それで比率的には増えてきてるのかなと。あとはカップルや夫婦でとか。男の方が一人で来る人は、本当にもう常連さんだったりとか知り合いとかが多いですね。

あとは、コンセプトってわけではないですけど、どちらかというとオープンではない隠れ家的なお店なので「こそこそ」しないといけない訳ありな方とかも…ね、安心してばっちりこそこそやってくださいという感じですね(笑)

伊藤 まちなか通って人に合うよりはこの辺でと(笑)

藤田 そうそう、このへんでね、しっぽりとか(笑)あとは僕と同じような考えで、あんまりガヤガヤしてるところに行きたくないっていう方ですね。まちなかのお店ガヤガヤしてて苦手なんだよねとか、そういう方にもよく使っていただいているかもしれないですね。

妥協なしでこだわり抜いた地元食材で料理を提供

鳥居 メニューのお肉、特選和牛「静岡そだち」ってどんなお肉ですか?

藤田 すごいいいお肉ですよ。静岡県の黒毛和牛の中では「静岡そだち」はトップクラスじゃないですか。あとは遠州夢咲牛は奥浜名湖の方でやっているんですけど、これも最近だんだん今有名になってきているんですけどね。静岡県の地元産のお肉を、なるべく使っています。

それと、希少部位のハラミや牛タンなんかは本当に少ないじゃないですか。ハラミは今、うちのメニューでは2,200円で出していますが、けっこう(値段が)ギリギリで。おそらく、ハラミってそんなに高いイメージがないじゃないですか。でも、食べてもらうとぜんぜん違うって言ってもらえますね。お肉屋さんがこれらをまとめて買い込んでくれていて、うちもちょっとだけ分けてもらっています。

あとは、野菜も地元の地域で作られてる野菜で、旬のものをよく使っていますね。あんまり偉そうに地産地消とかやるわけじゃないですけど。店舗もそんな大きくやっているわけじゃないので。

鳥居 食材は意識して地元のものを選択していますよね

藤田 そうですね、なるべく。やっぱり地元の食材のほうが運ばれてきたりとかの流通の経路とかも短いですし、信頼できる業者さんがいますからね。変な話、今はインターネットでどこでもなんでも手に入るんじゃないですか。だけど、その相手の顔も名前も知らない…って言う人から買うよりは、実際に会って信頼できる人と。業者さんなんかとも必ず会ってお話して、この人ならって。正直な話、お肉なんかだと、A5A4A3って言って違う肉にピッてシールを張られちゃったらもう本物が何かわかんないですからね。

そんなものを全然知らないところで買って、どうだこうだって言っても分かるもんじゃないですしね。よっぽど品質がずれていれば分かりますけど、今度はそれをお客さんに出すとなるとお客さんの立場からはさらに分からなくなっちゃう。

鳥居 一番大事な原材料ですもんね

藤田 そうですね、大事です。

日本人好みの味付けを徹底、日本人のためのグリル料理

鳥居 「日本人だから出来る、日本人が作る、日本人のためのグリル料理」ウェブにもあったんですがこのコンセプトがすごくいいなと思って

藤田 僕の解釈としては、よくジャパニーズグリルってなんなのって言われるんですけど、これは僕の造語なんですけど。例えば焼き鳥、これもジャパニーズグリルでしょ? 日本人が焼き物を…グリルっておおまかに言うと焼き物になるんですけど、外国人に焼き鳥作らせてもフィリピンならフィリピンで、オーストラリアならシシカバブとかになりますけど、やっぱり日本人の好みはいろいろあるじゃないですか。

たれも「酒、醤油、砂糖、みりん」と和食テイストのものをちょっと加えて。例えば、洋食のデミグラスソースにちょっと味噌を入れたり、醤油を入れたりという隠し味で、日本人の食べ方に合うものを出せるようにこだわっています。

どうしてもやっぱり、ワインなんかも、飲み慣れている人は別なんですけど、やっぱり日本のワインって日本人向けに優しく作ってあるんです、飲みやすく。そういう感覚ですかね。お肉を食べるにしても、わさびとお醤油を使ってみたりとか。そういうのが、日本人には合うんじゃないかなと僕は思っているので。

鳥居 日本人が慣れ親しんでいる味覚ですね

藤田 まぁ塩コショウでももちろん良いんですけど、良いお肉ならね。で、ちょっとそこにおろしポン酢を添えたりとか、わさびを添えたり、そういった感じですね。

鳥居 なるほど、この心意気がジャパニーズグリルなんですね

藤田 そうですね、このへんです。僕が作る日本人向け…というと偉そうですけど、その味覚に合うように気を使いながらという感じですね。

魚は天然モノを用意、保存もペーパー1枚からこだわり抜く徹底ぶり

鳥居 なるほど…お魚の方は?

藤田 お魚は可能な限りほぼ天然物を使いますね。養殖モノは使わないです。絶対と100%言い切っちゃうとまーたあれですけど、例えばサーモンなんかはどうしても養殖モノがごくたまにありますけど…どのお魚もめったなことがないかぎりは極力天然モノで、養殖モノは使わない方針ですね。

鳥居 天然モノになると、なかなか仕入れるものが限られてきますよね

藤田 限られてきます。仕入れも自分が足運んで、昔は市場や舞阪港に行っていました。最近はそこまで量を使わないのと、行ってる時間と距離的なものを考えると、伊良湖だったり舞阪のものを持ってきてくれる浜名湖のお魚に強い魚屋さんがいるので、そこに行って必ず見るようにしています。サイズだったり、〆方だったり、上がってどのくらいだったり、硬直しちゃっているかとか、自分の目で見ないと気がすまないんです。

あとは、鮮度だったり、保存熟成とその時の状態で、保存のペーパー1枚とっても、何種類か有るんですけどこのぐらいの状態だったらこっちの紙使っとこうとかちょっと水分多いなと思ったらちょっと吸水系のペーパー使っとこうとか、やっぱ細かいお客さんの方からは分からないかもしれないところにも随所にこだわりがありますね。

鳥居 ペーパーにこだわりっていうのはよっぽどのこだわりようですよね

藤田 こだわりますね、これしか使わない!っていうやつとか(笑)

鳥居 このペーパーがすごくいい!とか職人の世界でもいろいろあるんですか?

藤田 ありますねー、たぶん自分が使いやすいというか、水分のとり方とくっついたり破けたり、あとは水分の吸い方。撮られすぎても嫌だしという、吸い過ぎも駄目だし、吸わない奴もそれは駄目だし、ちょうどいい塩梅のやつが…

鳥居 いるんですね

藤田 いるんですよ(笑)あとはその、空気の通し方とかね。空気通さないならじゃあラップでいいじゃん水分吸わなければってことになるんですけど。

なんにせよ必ず自分で選びますね。(魚の)柵も見ないと筋の入り方だったりといろいろあるので。

信頼できる仕入先でも、食材を自分で見に行って確認!

鳥居 一からもう全部自分で見てから仕入れるんですね

藤田 そうですね、だから今日もですけどだいたい1日、最低1時間位はどこかしら走り回っていますね。4,5件くらい周りますね。

鳥居 その4,5件はこの近辺ですよね?

藤田 だいたい近辺ですね、自分は決まっているところで、例えばとぴあ浜松さんとかには新鮮な野菜とかいっぱいあったりしますし、あとはさかな屋さんも2件くらい行ったりします。

運んでって言えば運んでくれるんですよ。最悪、予約が必要になったらちゃんと物を言って取り置きしてもらったり運んでもらうことも出来るんですけど、基本的には見ないと、野菜一個でも自分で見ないと、なんか…嫌なんでしょうね(笑)

鳥居 持ってきてもらってから、自分の思ってたやつとちょっと違うのがきたなーとか。

藤田 そうですけど、これではなぁ…となってしまうと困っちゃうので。トマトとかそうなんですけど、形やサイズ一つとってもそうですし、熟されているか食べごろかとか。あとは自分たちの使いたいサイズや日時とかとの兼ね合いで、今日出したいか明日の予約に使いたいかとかで、3日くらい前にこれを買って寝かしておこうとか、そこら辺も見極めながらですね。

魚も当日食べたほうが良いのと、ある程度寝かしてから食べたほうが良いのとかもあるので。仕入れは1時間位かけて行きますね、長いと1時間半くらいかかって、「いやーもうこんな時間じゃん!」ってなるときもあります(笑

鳥居 持ってきてくれるところが多いと聞きますので、これって珍しいですよね。

藤田 そうですね、今は八百屋さん魚やさん今はもうどこでも配達してくれますからね。

鳥居 これぞ、こだわりの証拠ですね。

藤田 いやー好きなんでしょうね、後は食材を探すのが好きなのもあると思います。なんかないかなーって。


最近見つけた面白い食材、地元で栽培された珍しいじゃがいも「グラウンド・ペチカ」
皮が紫色で芽が赤い見た目から、通称デストロイヤーというらしい。

藤田 いいものを扱ってて、それがコンスタントに入らないにしても、その時期時期で天然のいい魚があって、それを分かっていたらあえて養殖モノを使えないじゃないですか。自分が味の違うと分かるものをお客さんに出せないので。

鳥居 なるほど…その考え方が根底にあるんですね。

藤田 そうですね、根底はそこですね。自分がおいしくないと思うものは絶対出さないです。新しい料理で施策をしたり、いろんな食材買ってくる中で、なんか珍しいなーって食材を買ってきたりしても、食べてみたらおいしくないなと。どうやって調理しても合わなそうだなとなったら「使わない」。

もちろん、調理しながらいいものができれば新しいメニューに加えてオススメ!って出来るのですが、中にはこの食材どう考えても失敗だな!調理法どうこうよりこの食材むりでしょ!(笑)ってときも、やっぱりありますからね。

自分がおいしくないと思ったら「出さない」。例えば、もったいないからお通しで出しちゃおうと思っても、お通しだって最初に食べるものなので、そこで「あんまりおいしくないよねー」ってなったら嫌じゃないですか。出せないですよね。

このレベルなら出してもいいでしょうってモノも中にはありますけど、基本的には、自分が本当に美味しいと思ったものだけを出したいということですね。

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今週はここまで!
次回の第3回は、「飲食店経営の悩み事や失敗エピソード」について聞いていきましょうー! 公開予定日は8/26です。お楽しみに!

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